小金井歯科医師会

「お口くさい」の原因

【令和3年5月号】
小金井歯科医師会 / 松田 詠子

 日常的にマスクを使用することが増え、ふとした瞬間に「ん?クサッ」と、自分の息の匂いに、ドキッとすることはありませんか。

 その原因は、口腔常在菌が口の中でどんどん増殖する時に発生している匂いです。決してマスクが不良品なのではありません。

 通常、口の中に存在する菌は歯みがきでその大多数が洗い流されます。しかし、わずかに残ります、潜んでいるのです、舌苔にもいます。磨き残されたわずかな菌は昼夜を問わず再び増殖し、またもやあの匂いを放つのです。朝起きた時は特に増えています。

 ところが、口の中には菌と戦ってくれる兵士がいます。それが唾液です。唾液は、菌を胃に流し込んでくれたり、菌の働きを鈍くしたり、全身の免疫力を高めるという働きまでしてくれます。

 この優れた唾液ですが、量が減ると途端に不具合を生じます。口臭がきつくなり、口の中がいつも乾いてカラカラ、口内炎ができやすい、舌がヒリヒリする、夜間にのどが乾いて目が覚める、これがドライマウスです。その原因は、薬の副作用、自律神経の不調、水分不足、舌の周りの筋力低下、膠原病や糖尿病などさまざまです。

 私たち歯科医師は、ドライマウスに対する最初の処置として、唾液腺マッサージを推奨しています。これは即効性があります。

 お口の匂い、気になったら唾液ケアを始めませんか。詳しくは、かかりつけの歯科医師にご相談ください。