小金井歯科医師会

お口ポカン?

【令和2年5月号】
小金井歯科医師会 / 田中 康雅

 口腔機能発達不全症をご存知ですか。

 15歳未満の小児で障害がないにも関わらず、食べる、話すなどの口の機能が十分に発達していないか、正常に機能していないため歯科での指導が必要な状態をいいます。 生涯を通じて成長や健康に悪影響を及ぼすため、早期の発見と対処が重要です。

 食べたり、飲み込んだりが上手にできない、発音が不明瞭、鼻で呼吸せず口で呼吸するなどの症状がありますがお口がポカンと開いてる場合は注意が必要です。

 「お口ポカン」はだ液の量が減りむし歯や歯周病の原因になります。また口臭の原因にもなります。

 「お口ポカン」は歯ならびが悪くなり、あごの骨の成長に悪影響がでる場合があります。歯が重なったり、上の前歯が前に出たり、奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない状態などになりやすくなります。結果としてかめない、食べられなくなる等、さらなる影響を引き起こします。

 「お口ポカン」は細菌やウイルス感染のリスクが高くなります。口が開く子は口で呼吸するので鼻が空気中の細菌やウイルス侵入のフィルターの役目をせず風邪やインフルエンザなどを起こしやすくなります。またのどの病気も起こしやすくなります。

 これらを改善するためには唇の力や舌の力を強くしたり、舌の位置、指しゃぶりなどの癖、食事の仕方、姿勢などの改善が必要です。

 お子様がテレビを見ている時やゲームをしている時、お口をポカンと開けていませんか。

 気になる方はかかりつけの歯科医院でご相談ください。将来の加齢による口腔機能の衰えを防ぐためにも、子供のうちの口の機能の向上が不可欠です。