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歯の健康メモ
生活習慣病とお口の健康
【平成10年05月05日号】
東京都小金井歯科医師会 / 岩田 健男

日本人の死亡原因の上位を占めるのが高血圧、糖尿病、高脂血症および肥満であることが報告されています。これらの原因はご存知のとおり「生活習慣病(成人病、老人病ともいう)」と総称きれ、現代では死の四重奏といわれています。そして、これらの病気は非感染性(細菌感染でない)で慢性(長期間かけてつくられる)である共通点をもっています。赤痢、結核、ガンなどの感染性または新生物が死亡原因のトップに位置していた時代とは随分と病気が様変わりしつつあるようです。

さて、生活習慣病がなぜ歯科と関係するのかということですが、結論から申しますと、歯科医院で拝見する患者さんに、咬み合わせや見た目の改善といった非感染性疾患を主訴として来院される方が増加しているわけです。

周知のように、歯科二大疾患とよばれるむし歯と歯槽膿ろう(感染性疾患)は細菌が感染して歯、歯肉、骨を溶かしてゆく病気です。これらの予防の重要性についてはすでによく理解されておられることでしょう。要は、機械的(歯ブラシや歯間ブラシ、フロス等を使う)、あるいは化学的(含そう剤等を使うう)に口腔内の細菌を排除していくことで、お口を感染から予防し、健康な状態を維持していくことが大切なわけです。

ところが、この10年間の傾向を申し上げますと、少しずつですがむし歯と歯槽膿ろうが減少する反面、前に述べた咬み合わせの異常に由来する疾患(咬合病)や美しくなりたいのを主訴とする病気(審美病)を訴えて来院する患者さんが徐々に増えています。いずれも共通するのは非感染性で慢性であることで、生活習慣病とよく似ています。といいましても、死亡原因にはなりません。

咬合病の兆候はむし歯でもないのに歯がしみたり、歯と歯ぐきの境目がクサビ状に減ってきたり、歯槽膿ろうではないのに歯ぐきが下がり出す等です。さらにひどくなると、咬み合わせが強いため筋肉が疲れ、凝ったり、偏頭痛、肩こりが生じます。また、顎の関節に変調を来すこともあります。結果として、「よく咬めない」ことになります。原因は確定されていませんが、生活習慣と関係しているといわれています。

審美病は歯、口元、顔貌を美しくしたいというだれもがもつ願望の現れです。実際には歯を白くしてほしい、歯並びをきれいにしたい等の問題で患者さんが来院されます。治療としては、歯の表面に歯の色のセラミックを接着したり、歯にセラミックをかぶせたり、あるいは歯並びを矯正処置で直すことで対処します。

マスメディアを通じて報道される美しい歯、口元、笑顔のイメージが一般国民に伝達され、美への意識が向上している一例と申せましょう。

歯科の患者さんに生活習慣病が増えています。